NO.89「わ」のつく元気になった洋画「若大将」
<元気コメント>
青年のもつさわやかさは、元気の元のかたまり
あのラブソングをもう一度歌いたくなった。
<あらすじ>
京南大学水泳部の田沼雄一は、明治時代からの歴史を誇るすきやき屋「田能久」の若旦郡である。
父久太郎は昔気質の頑固者で、最近は商売仇のステーキハウス「黒馬車」がぐんぐんのしてくるので機嫌が悪い。
おまけに雄一が黒馬車で歌手のはるみと仲良く歌っているとあってカンカンに怒った。
そんな時、祖母のりきがいつも雄一の味方となって父と子の仲を円くおさめていた。
水泳部主催のパーティの日。
雄一は同級生の団野京子や、はるみとばかり踊るので石山製菓のキャンデー・ガール中里澄子は面白くない。
その夜、雄一は店の肉を持ち出して部員達にオゴってしまったためとうとう久太郎に勘当されてしまった・・・
<データ>
「大学の若大将」

製作:1961年 東宝
監督:杉江敏男 スギエトシオ
出演:加山雄三 カヤマユウゾウ (田沼雄一)
有島一郎 アリシマイチロウ (田沼久太郎)
飯田蝶子 イイダチョウコ (田沼りき)
星由里子 ホシユリコ (中里澄子)
団令子 ダンレイコ (団野京子)
田中邦衛 タナカクニエ (石山新次郎)
解説:「続社長道中記 女親分対決の巻」の笠原良三に「女家族」の共同執筆者・田波靖男のオリジナル・シナリオを「黒い画集 ある遭難」の杉江敏男が監督した青春映画。
撮影担当は「続社長道中記 女親分対決の巻」の鈴木斌
<「若大将」と言えば>
★若大将シリーズ(わかだいしょう-)
東宝が1961年から1971年まで製作した全17作から構成される加山雄三主演の高度成長期の大学生の恋とスポーツを描いた映画のシリーズ名である。
社長シリーズ、駅前シリーズ、ハナ肇とクレージーキャッツの映画とともに60年代の東宝の屋台骨を支えた。
全作品カラー、シネマスコープである。
★ シリーズ誕生
このシリーズの生みの親はプロデューサーの藤本真澄と脚本の田波靖男である。
加山雄三は前年デビューし、田中友幸プロデューサーのもとで『独立愚連隊西へ』
(1960年)や『暗黒街の弾痕』(1961年)で準主役を張り着実に大物振りを発揮しだしていたが、大学出たばかりで演技といえるものではなかった。『独立愚連隊西へ』:北支戦線を背景に規格外れの兵隊達の活躍を描く「独立愚連隊」の姉妹編。「大学の山賊たち」のコンビ関沢新一と岡本喜八のオリジナル・シナリオを岡本喜八が監督した。撮影は「悪い奴ほどよく眠る」の蓬沢譲
そこで満を持して藤本は、本格的に加山雄三を売り出すことにする。
戦前の松竹映画の『大学の若旦那』を現代風にアレンジする企画を立てた。
加山を呼んできて生い立ちなど聞き、お婆ちゃん子であったことやドカ弁で1日5食だという逸話などを取り入れて加山と等身大の主人公像を作り上げたのだった。
メインライターは笠原良三だったが、超売れっ子で映画各社の掛け持ちも多く、東宝文芸部の田波が大枠を書いていた。
第1作『大学の若大将』の浄化槽の蓋で焼肉をするのも田波のアイデアだった。
実は、『大学の若大将』の第1稿ではマンホールの蓋で焼肉を焼くというものだったが、藤本から良識ある大学生がするもんじゃない、人が落ちたらどうするんだとクレームがついてしまった。
だが、ギャグにこだわった田波は、公道のマンホールがダメなら大学構内の浄化槽の蓋にして、プロデューサーの意見を逆手に取り入れて管理人の片足を落すことにした。
結局、『大学の若大将』は加山自身を演じた等身大のヒーロー像が受けて大ヒットとなった。
しかも劇場では、この浄化槽の蓋のギャグが大受けだった。
さっそく藤本プロデューサーは二作目の制作を指示したが、「この次もマンホールの蓋で肉を焼くギャグを考えてくれ」と注文を付け田波をあきれさせた。
こうして若大将シリーズははじまった。
★スケールアップ
第2作の『銀座の若大将』
もヒットしたが、一応、その次の『日本一の若大将』
で3部作のトリという内容だったが、人気は衰えず初の海外ロケの『ハワイの若大将』まで作られた。ただこの作品の後、加山は黒澤明監督の『赤ひげ』
出演のため1年間拘束されることが決まっていた。スタッフは、1年のブランクで折角の若大将シリーズの人気も冷め、これで打ち止めも覚悟していた。
だが、反対に観客の飢餓感の方が勝り、国内ロケの『海の若大将』
は前作を上回る興業成績を収めたのだった。ここに至って若大将シリーズは確固たる地位を築いたのだった。
「赤ひげ」:山本周五郎の名作を黒澤明監督が2年の歳月をかけて映画化した超大作。長崎で和蘭陀医学を学んだエリート青年・保本登は、見習いとして働くことになったが、養生所の貧乏くささや「赤ひげ」の異名をとるひげを生やした無骨な所長・新出去定に好感を持てなく、養生所の禁を犯して破門されることさえ望んでいた。しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさを知り、また、彼を頼る人々の姿に次第に心を動かされていく…。
★社会人編
加山の実年齢が30歳を越えるとさすがに大学生には無理があるようになった。
そのため、『リオの若大将』
で若大将を卒業させてシリーズを終わらせることにした。しかし、これだけのヒット作を終わらせるのはもったいないということで、東宝が得意とするサラリーマン喜劇へとシフトさせることになった。
★シリーズ一覧
「大学の若大将」 (1961年・東宝/杉江敏男監督)
若大将は京南大学の学生、水泳、芦ノ湖ロケ、浄化槽の蓋を鉄板代わりに焼肉を焼く、加山の実父上原謙が出演
「銀座の若大将」 (1962年・東宝/杉江敏男監督)
若大将は京南大学の学生、拳闘 (拳闘部の助っ人として大会に出場、部会活動としては音楽部に所属)
銀座のレストラン「ノースポール」で暴れたことで、賠償を兼ねて丁稚奉公に出される
講義中に早弁(青大将が告発)、合宿のスープの具にレストランの残飯を流用
久太郎の友人でレストラン「ノースポール」のオーナーとして上原謙が出演
「日本一の若大将」 (1962年・東宝/福田純監督)
若大将は京南大学の学生、マラソン (マラソン部に所属)、水上スキー
照子の縁談を壊したこと、店の金を持ち出したことが原因で勘当、芦ノ湖ロケ
「ハワイの若大将」
(1963年・東宝/福田純監督) 若大将は京南大学の学生、ヨットレース (ヨット部に所属)
牛肉と馬肉のすり替え事件とカンニングによる停学処分が原因で勘当、ハワイロケ
青大将がヨット部に提供した馬肉をりきが牛肉とすり替え馬肉を客に提供、客に出すはずの牛肉は若大将が合宿へ持って行く
ハワイの化粧品店のオーナーとして上原謙が出演
「海の若大将」(1965年・宝塚映画/古澤憲吾監督)
若大将は京南大学の学生、水泳 (水泳部に所属)、カンニング疑惑 (実際には誤解) による停学処分と所属学部を久太郎に偽っていたことが原因で勘当
肉の缶詰と間違えてドッグフードの缶詰を買い置きし、合宿で振る舞う(他の部員が空き缶を見て発覚)
加山の持ち船「光進丸」が劇中で登場、青大将、江口、澄子と八丈島近海へ向かう(設定では青大将の所有)
「エレキの若大将」
(1965年・東宝/岩内克己監督) 若大将は京南大学の学生、アメリカンラグビー、乗馬
久太郎が融資を依頼している銀行の頭取の息子と喧嘩騒動を起こして勘当、更に田能久が倒産
「エレキの神様」寺内タケシがそば店員役で(若大将のバンドで共演)、のちの加山夫人松本めぐみが別のバンドで、内田裕也がエレキ合戦の司会者で出演
バンドに加入できた嬉しさのあまり、隆が出前の天丼(カツ丼?)をメンバーに分けてしまう、日光ロケ
「アルプスの若大将」
(1966年・東宝/古澤憲吾監督)若大将は京南大学の学生、スキー (スキー部に所属)
スイスアルプス(ツェルマット、マッターホルン)、ウィーン、ローマ、苗場スキー場ロケ
青大将が旅先でナンパしたフランス人女性(イーデス・ハンソン)が来日、田沼宅にホームステイさせるよう頼む
青大将がホテルに備え付けの痰壺を丼代わりにラーメンを食べる(部屋に入ってきた清掃係に注意される)
プロスキーヤーのトニー・ザイラー、パンアメリカン航空のデビッド・ジョーンズが出演
「レッツゴー! 若大将」
(1967年・東宝/岩内克己監督) サッカー 、青大将が勘当されて田沼家に転がり込む、香港・マカオロケ
宝田明、ザ・ワイルドワンズが出演(ワイルドワンズはLD・DVDのオーディオコメンタリーも担当)
「南太平洋の若大将」
(1967年・東宝/古澤憲吾監督) 若大将は日本水産大学の学生、柔道 (柔道部に所属)、水上スキー、スキューバダイビング
青大将が食パンに挟んでハワイに持ち込んだ生ワサビがホノルルの税関で見つかり、係員に指示されて「生ワサビサンドイッチ」を食べてしまう
ハワイ、タヒチロケ
「ゴー! ゴー! 若大将」
(1967年・東宝/岩内克己監督) モータースポーツ(ラリー)、駅伝競走、鈴鹿サーキット、京都、
琵琶湖ロケ(ラリーでは京都から名古屋→日本ライン→飛騨→琵琶湖→京都のコースを走る)
鈴鹿で出逢った京都の舞妓が田能久へ来るが、若大将が紹介するはずだった澄子と間違えて久太郎が応対する
若大将が合宿所の枕から詰め物の小豆を抜いて汁粉を作る(小豆に染み込んだ体臭と枕を壊したことで発覚)
舞妓役で浜木綿子が出演
「リオの若大将」 (1968年・東宝/岩内克己監督)
若大将は京南大学の学生、サーフィン・フェンシング、リオデジャネイロロケ
空腹で倒れそうなランチャーズのメンバーがホテルの花瓶を釜に粥を炊く、買い出しから戻った若大将が焼魚の炎を火災と錯覚して消火器を噴射
ザ・ランチャーズ、中尾ミエが出演、2代目若大将:大矢茂が初登場
(社会人シリーズ)
「フレッシュマン若大将」
(1969年・東宝/岩内克己監督) 若大将は日東自動車の新入社員 (冒頭で入社)、スケート
「ニュージーランドの若大将」
(1969年・東宝/岩内克己監督) スキー ニュージーランド・オーストラリアロケ
「ブラボー! 若大将」
(1970年・東宝/岩内克己監督) 商事会社を退社後アルバイト テニス グアムロケ
「俺の空だぜ! 若大将」
(1970年・東宝/小谷承靖監督) 建設会社の社員、スカイダイビング
「若大将対青大将」
(1971年・東宝/岩内克己監督) (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
◆◆この映画をご覧になった方は感想をお寄せ下さい
↓NO.88「老人と海
【6/4(月)アニメで見ました】
今泉と申します。「老人と海」というアニメみたいなものを以前に見ました。
とてもきれいでした。ご紹介の映画も見ましたが、いずれも海がきれいですね(今泉)
☆☆今泉さん、お便りありがとうございました。
ヘミングウェイ生誕100周年記念大型映画をご覧になった訳ですね。
またのお便りをお待ちしております。 (映画で元気)
<データ>
「老人と海」
(Animation:The Old Man and the Sea9)製作:1999年 ロシア=カナダ=日本 IMAGICA=NHKエンタープライズ21=電通テック配給
監督:Alexandre Petrov アレクサンドル・ペトロフ
和田敏克 ワダトシカツ
原作:Ernest Hemingway アーネスト・ヘミングウェイ 「老人と海
出演:三国連太郎 ミクニレンタロウ
解説:ガラスの上に指を使って描くレンブラント手法と呼ばれる独特な絵画アニメで描かれた名作『老人と海』の大型映像作品。
“ヘミングウェイ生誕100周年記念大型映画"と題された国際プロジェクト作品で、「ヘミングウェイ・ポートレイト」を第一部に、本作が第二部という二部構成で連続して同時上映された。
監督は『雌牛』『おかしな夢を見る男』『マーメイド』(特別上映のみ)の、ロシアの絵画アニメの名匠アレクサンドル・ペドロフ。
製作はベルナード・ラジョアと島村達夫。
撮影はセルゲイ・レシェトニコフ。
音楽はノーマンド・ロジャー。
日本語特別出演は名優・三国連太郎
(今週はオススメ映画のお便りはございません)
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