現在は、日本の映画製作の中心は、大手映画会社から、独立プロ、インディペンデントのプロダクションへと移った。
かつての映画会社の社員である撮影所スタッフによって行われた分業制は、分業の構造だけを残して崩壊し、今日では撮影現場に関わるスタッフのほとんどが、”街場”と呼ばれるフリーの立場で仕事をする人によって構成されている。
彼らは作品1本ごとに集められ、仕事を終えるとまた次の作品へと散っていく。監督の名を掲げた「○○組」という言い方は今でも変わらないが、組織の構造は大きく変化した。
今のスタッフにとっては、1本1本の現場が「ミニ撮影所」である。
<クランクアップ>
【<映画用語>製作〜公開まで1 ?「クランクイン」】で取り上げた「クランクイン」に対する言葉として、すべてのカットを撮り終えたその瞬間を「クランクアップ」と呼ぶ。
最後まで出番の残ったキャストや仕上げ作業に関わらないスタッフはここで仕事を終え、別の作品へと散っていく。
<ポストプロダクション>
撮影を終えた素材はすぐに編集部に送られる。
ここからポストプロダクションが始まり、編集者はNGの切り出しや、バラバラにされた素材をシーン順、カット順に並べていく作業を行う。
フィルムだけではなく、24PHDなどのビデオ撮りへ選択肢が広がった今も、この流れに大きな変化はない。
現場での撮影をあくまで素材作りと考えれば、まさに映画は編集によって初めて作品になっていく。
素材を生かすも殺すも編集次第で、現場で撮り切れなかった要素を編集でフォローしたり、時に現場の狙い以上の効果が生まれてくるのも編集の妙味と言える。
こうして、編集の終わった素材で、まだ現場で録音した音(台詞やその場の音)しかつけられてないもの、またそのプリントでの試写を「オールラッシュ」と呼ぶ。
その後、ダビング作業が行われ、アフレコする台詞、付け加える効果音、音楽などが追加されて、いよいよ完成品ができあがる。
また、近年ではCGなどのVFXが完成品に占める割合が増加し、撮影が終わったあとも、VFXの作業が完成ギリギリまで続けられる場合も珍しくない。
<零号、初号>
編集・ダビングなどすべての仕上げ作業が終了すると、1本の完成プリントが作られる。
最後に仕上がりをチェックするために上映されるのが今回?の「零号」プリントで、通常零号試写は、スタッフ・関係者だけが確認用に見るものとなる。
ここで問題がなければ零号プリントがそのままそのまま「初号」プリントとなるが、大抵の場合はカメラマンの指示により、現像による色の微調整が行われ、初号プリントを焼き直すことになる。
万が一、この段階で大きな問題が発見されれば、編集・ダビングをやり直すことも考えられるが、そこまでいくケースはごく稀である。
零号の問題点を解消して新たにプリントされた初号試写は、主にキャストや範囲を広げた関係者に披露される。
初号で問題点が残った場合には、公開用プリントに向けて再度微調整を行う。
(参考 映画検定公式テキストブック)
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