コラム【映画を楽しむ38】
1962年(昭和37年)の本日8月12日、現地では日曜日の午後、休日を楽しむヨットで混雑するサンフランシスコ湾に、堀江謙一が操るマーメイド号
(新西宮ヨットハーバー内に飾られているマーメイド号)(新西宮ヨットハーバーのサイトより)は到着した。94日間かけて日本人初のヨットによる太平洋単独横断を成し遂げた瞬間だった。
堀江謙一は、全長6メートル足らずのマーメイド号に、飲料水20リットル、米40kgを積んで兵庫県西宮市を出港した。
出港といっても無風状態の大阪湾内を1日半迷走し、やっと太平洋に出たかと思えば台風に遭遇という何とも波乱に満ちた航海だった。
堀江謙一オフィシャルサイトより<「コロンブスもパスポートは省略した」>
当時はヨットによる出国が認められなかったため、密出国であった。
日本では当初この点について非難が殺到し、犯罪者扱いすらされたが、当時のサンフランシスコ市長が「コロンブスもパスポートは省略した」と、尊敬の念をもって名誉市民として受け入れたところ、日本国内でのマスコミ及び国民の論調も手のひらを返すように堀江の偉業を称えるものに変化した。
「マーメイド」の名は、敷島紡績(現:シキボウ)から、資金不足に悩んでいる際、当社の人魚マークを帆に入れてくれれば、帆を一式寄付するとの申し出を受け、同社の人魚マークが入った帆の寄付を受けた事に因んだ。
太平洋横断は秘密だったため、太平洋横断のためのスポンサードではない。
また、堀江謙一は、1974年には270日余りで単独・無寄港の世界一周を成功させた。
これについても、石原慎太郎から『週刊プレイボーイ』上で成功する可能性があり得ないものとして非難され、堀江を擁護する本多勝一らとの論争を呼んだ。
<スリルとユーモアを交えた感動的な人間ドラマ>
この特異な題材を人気俳優石原裕次郎を主人公にして、スリルとユーモアを交えた感動的な人間ドラマに仕上げたのが今は亡き市川昆監督だった。
「太平洋ひとりぼっち」 製作:1963年 日本 日活=石原プロ
監督:市川崑 イチカワコン
原作:堀江謙一 ホリエケンイチ
キャスト :石原裕次郎 イシハラユウジロウ (青年)
森雅之 モリマサユキ (父)
田中絹代 タナカキヌヨ (母)
浅丘ルリ子 アサオカルリコ (妹)
ハナ肇 ハナハジメ (男A)
実際にヨットマンとしても知られる裕次郎もさぞかし満足できた作品だったのではないだろうか。
(参考:今日のシネマは? 著:近藤道郎、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)



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